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桜田淳子さんから自由になる [歌]

『8時だよ全員集合』という、お茶の間のお化け番組があった。

土曜日8時は、毎週欠かさず見ていた。

始まったのが、1969年10月というから、アポロの月面着陸後のことだった。

 

ドリフターズによるこの番組の進行は、

長さんの『おっす』から始まり、エンディングのカトチャンの『歯磨いたか』まで流れるようなワンパターンだった。

オープニング⇒前半のコント⇒歌謡曲⇒体操⇒ショートコント

などなど、時代によりいろいろなヴァリエーションがあったが、楽しいものだった。

 

この番組は、テレビの楽しさそのものだったような気がする。

この時間になると家族みんなが、テレビの前に集まり、ともに笑った日々があった。

大人も、子供も、女性も男性も、お茶の間の光景が目に浮かぶようだった。

 

それは、一週間の疲れを癒やすには十分なものだった。

この番組で一番のお気に入りは、仲本工事さんの体操コーナーだった。

特に印象に残るのが、キャンディーズと桜田淳子さんの時だった。

 

マットの上で前転をしたり、比較的簡単なものだったが、それでも、失敗しないか、まっすぐ転がれるか、など拝むような気持ちがあった。

 

演技を終えると、かわいくガッツポーズで締めくくるのだが、かわいさより、終わった安堵の方が強かった。

 

僕は、比較的楽天的な性格なのだが、淳子さんのときは心配だった。

これは、歌のときも同じ気持ちだった。

デビュー前の幼さが残る時から見ていたので、歌手を見る目線とは違っていたのだろう。

 

『花物語』の頃からだろう。

ようやく安心できるようになったのは。

しかし、この頃から。僕には悩みができた。

『花物語』の頃が思春期まっただ中だったせいか、この歌が心の中に入り込んでしまった。

この歌が気になって仕方が無かった。

そして、少女を悩ませることに罪悪感にも似た感情を覚えるようになっていたのかも知れない。

僕は、淳子さんの世界に入り込んでいた。

そして、『三色すみれ』『花占い』と続いていく。

 

僕は、思春期をこの歌とともに過ごした。

そして、『守りたい』という意識が芽生えた。

もしかしたら、今このブログを書いているのは、そうした潜在意識に駆られているのかも知れない。たぶんそんなところなのだろう。

 

しかし、そんな僕が解放される日が訪れる。

『はじめての出来事』がリリースされ、僕は、やっと淳子さんを歌手として聴けるようになっていた。

 

『はじめての出来事』が、淳子さんの最大のヒット曲となったのは、そんなファン心理が影響しているのではないかと思う。

ファンは、この曲で心の自由を得た。

それまでは、淳子さんの世界に捕らわれていたとしか思えない。

 

どちらの時が幸せだったかは比較できないが、懐かしいも、甘酸っぱい記憶としかいいようがない。

追伸 動画のUP主様には感謝します。


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